布を糸でくくって染める独特の染めの技法が特徴で、糸をほどいた後には特有の立体的でボリュームのある鹿子模様が表れます。
ひとつ一つ糸でくくるため非常に手間と時間がかかり、そのため大変高価な技法でもあります。
さらに、そこに刺繍を加えることで、いっそう重量感と華やかさが増し、まさに伝統美の象徴ともいえる、日本が誇る美しい技法です。
手絞りをほどこした生地に、金銀箔、金粉などをほどこした金彩は着物をより豪華にするための技法です。
特に、あでやかに彩色された布地と金彩が織り出すハーモニーは、金彩友禅の特徴として愛されており、金彩を使われていることが豪華さの目安にもなっています。
ただそのバランスは難しく、華やかでいて上品に仕上げるのが、選び抜かれた匠の技といえるでしょう。
室町から桃山時代末期のわずかな時期に現れた絞り染めの一種。
50色以上の染料を花によって使い分けた繊細さと、その花に合う美しい立体感を生み出す絞りの技術が相まった技法です。
気品溢れる辻が花と藤の風雅な構図が見事です。
江戸時代に考案され、古典的な動植物や器物、風景などの絵模様を華やかで高貴な色染めで表現したのが京友禅。
金箔や刺繍などの装飾を施すのが特徴のひとつでもあり、華麗で雅やかな雰囲気が漂います。
友禅染めした後に箔を施す、桃山から江戸時代に花開いた技法。
金彩友禅は歳月とともに金銀色箔や金紛などの種類が増え、道具が改良されたことで、古き良き伝統技法を受け継ぎながら、新たな進化を遂げています。
「京友禅競技大会」は毎年3月に開催される、京都で最大規模を誇る京友禅染の展示会。
振袖はもちろん、留袖や訪問着など、京友禅の着物が一堂に集まるその様は圧巻です。
数多くの中から選りすぐりの逸品として受賞した作品をぜひ店頭でお確かめください。